「ひとりで生きる」ためのガイドブック

 熟年離婚する夫婦が増え続けている昨今。
その後、女性が一人で生きる為の術を書いた本『おひとりさまの老後 』上野千鶴子、法研、1400円(税抜き)が、ベストセラーになっています。

昔から後家楽(ゴケラク)という言葉があるらしい。うるさい夫に先立たれたものの、生活の心配はなく、わが世の春を謳歌している女性を指す。うらやましいと思ってしまう女性(ひと)が多いのでは。ゴケラクは「ご気楽」に通じるというべきか。

 この後家楽に限らず、離婚・未婚含め、シングルの高齢女性たちがこれからますます増える。平均寿命から考えれば男より女のほうが長生きだし、少子化のいま、育児期間も短くなった。女性にとって、夫や子どもと一緒に“家族する”期間がどんどん短縮しているからだ。

妻として、あるいは母としてどう生きるか、という本は汗牛充棟、限りなくある。しかし、老後を女性がひとりで暮らすためのノウハウ本が不足している のではないか。日本のフェミニズム研究のパイオニアであり、舌鋒鋭い書き手としても知られる著者が、そんな問題意識から書いたのがこの本である。発刊以来 3カ月で17刷というベストセラーだ。

 シングルライフへのいざないから始まり、住居の問題、友人・知人との付き合い方、おカネ、介護、遺言、財産分与、終末期の迎え方と、一通り、かゆ いところまで手が届く内容だ。著者自身、現在59歳で自称“負け犬”(結婚しない女)のひとり。シングル歴は長い。しかも近年は社会学者として高齢者の介 護問題に関わっているからか、理論と実践、双方の内容が充実した、「ひとりで生きる」ためのガイドブック兼思想書なのだ。

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社会問題になっている高齢化社会。

まさにこの本は、時代を表しますね。

今後こういったノウハウ本は増えていくのかもしれませんね。